さまざまな質問に答えられる対話型AI(人工知能)サービスが、次々と登場している。こうしたツールに指示すると、テキストで絵を表現する「アスキーアート」(AA)を生成してくれる場合がある。記者は以前、米OpenAIの「ChatGPT」で「GPT-3.5」という言語モデルを使い、ドラえもんのAAを作れないか試した。結果、ゴリラのような生物や形容しがたいデザインのAAが生まれ、ドラえもんにはあまり似ていなかった。
今回、米マイクロソフトの「Bing AI」や米グーグル「Bard」、そしてGPTシリーズの最新版「GPT-4」を使って、再チャレンジだ。
「以下がドラえもんの...」結果は
検索エンジン「Bing」に搭載されているAIチャット機能。人工知能とチャットしながらウェブ検索が可能だ。マイクロソフトの3月15日付発表によると、これは「GPT-4」をベースに、検索用にカスタマイズして動作しているという。米マイクロソフトはOpenAI社に投資しており、協業関係にある。
記者はBing AIに「ドラえもんのアスキーアートを生成してください」と指示。「ドラえもんのアスキーアートを検索しています」「回答を生成しています...」「以下がドラえもんのアスキーアートになります」と処理メッセージが順番を表示した後、AAが出力された。
正直に言って、前回での「GPT-3.5」での経験から、記者はAIの作るAAに大きな期待はしていない。さて「Bing製ドラえもん」の登場だ。
(一部表現が崩れている場合があります)
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本当に検索しましたか?
やはり、ドラえもんとはまるで違う、愉快げな表情をした生物が。顔の下には、上唇とおぼしきパーツが縦に3つ並んでいる。おそらくは、インターネット掲示板「5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)」で用いられるAAキャラクター「やる夫」をモデルにしている。頬の部分より下は、やけに影がかっている。
「冗談さ!」と2度目に出してきた絵も...
次に、グーグルが3月21日から公開している対話型AI「Bard」。Bingとのレベルの差を見せつけられるのか。日本語での指示は受け付けてくれなかったため、英語で「ドラえもんのAAを生成して」と指示する。
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何を表現しているかは解釈がわかれるだろう
これは解釈が大変難しい。左側には、棒高跳びのハードルのような物体。右側はラグビーのゴール?右上部には角が生えた動物の目から上のような表現がされている。
ちなみに、念のためお題を「スヌーピー」に変えて再度指示すると、なぜかほぼ同じAAが表示された。一部のパーツが、1文字分程度ズレているだけだ。
記者が困惑していると、Bardが「冗談さ!こっちがスヌーピーのAA」と語る。すると、ほぼ同じAAが再び表示された。「気に入ってくれることを祈るよ!」とのことだ。まだまだ指示に応じた作業を行うのが難しいのかもしれない。
GPT-4が本気出した?
さて、以前に「GPT-3.5」を使用したときは、冒頭の通りドラえもんとは似ても似つかないキャラクターが生成された。半面、頭部の輪郭に限っては、ややドラえもんを感じさせるものではあった。もう一回、「GPT-3.5」を試そう。
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ドラえもんではなさそう
むくりと起床した「一反木綿」(いったんもめん・布のような妖怪)だろうか。「つ」「つ」と突き出した両腕が、ドラえもんの丸い手のようで愛らしい。ただ、以前に「3.5」で出力した時より、確実にドラえもんから遠ざかっている。
しかし、生成型AIはプロンプト(指示文)の表現によって、出力内容が大きく変わる場合がある。最後の望みをかけて、「ドラえもんのアスキーアートを本気で描いてください」と指示してみる。
次に「GPT-4」を選択し、ChatGPTに「ドラえもんのAAを作って」と命令する。最新の大規模言語モデル、その進化は――。
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シンプルではある
ランプか、やせ細った犬だろうか。相変わらず、ドラえもん要素は感じられない。「GPT-4」はAAとともに、「もちろん、さらに複雑で詳細なアスキーアートも作成できますが...」と語る。その場合、ユーザーが利用する機器によっては、適切に表示されないことがあるという。「俺はまだ本気を出してはいないだけ」とでも言いたげだ。
その言葉が本当なら、より「詳細」なAAがほしい。最後の望みをかけて、「ドラえもんのアスキーアートを本気で作ってください」と指示してみる。
「このアスキーアートは、ドラえもんの顔と身体をより詳細に表現しています」との言葉とともに現れたのが、以下だ。
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これがGPT-4の本気だ!
「さっきのAAが太った」――。そんな印象を抱いた。GPT-4、まだ本気出していないんじゃないの?