行政処分、刑事罰も追及する規制案
一方、ChatGPTの広がりに警戒を高めているのが、各国の規制当局だ。特にプライバシー保護の意識が高い欧州では規制の議論が先行し、イタリアはChatGPTの利用を一時的に禁止している。 政府による社会の統制が強まっている中国でも規制の行方が注目されていたが、今月11日、IT行政を管轄する国家インターネット情報弁公室が、生成AIを提供する企業向けのルールを定めた「生成AIサービス管理弁法」の草案を公表した。パブリックコメントを経て年内の施行を計画している。
21条からなる同弁法は主に、中国で提供される生成AIプロダクトは、「社会主義核心価値観を反映し、国家権力の転覆や、社会主義体制の打倒、テロリズムや過激主義の吹聴、民族憎悪、民族差別、暴力、わいせつ・ポルノ情報、虚偽情報の拡散、経済秩序や社会秩序を乱す可能性のある内容」を含んではならず、「心身の健康、肖像権、名誉、個人のプライバシー、知的財産権、商業秘密」を守ることを求めている。
サービス提供者は政府関連部門によるセキュリティー評価を受け、アルゴリズムを登録することが要求され、ユーザーは実名登録。違反が認められた場合は、サービスの停止や1万元(約19万6000円)以上10万元(約196万円)以下の罰金など行政処分を科すことができるほか、刑事責任も追及できると定めた。