ルール作りはEUが先行
急膨張する対話型AIにどう対応するか――日経新聞によると、主要7か国(G7)は4月29~30日に群馬県高崎市でデジタル・技術相会合を開き、AIの国際的なルールについて議論する。
同紙によると、ルール作りは欧州連合(EU)が先行している。AIのリスクを4段階に分け、高いリスクがあるAIは、公開して市場に出す前に事前評価。研究・開発段階については一定条件を満たせば個人データ保護などの規制を緩和する特例も設け、産業育成との両立も意識する。
同紙は、議長国の閣僚としてこの会議を主導する松本剛明総務相にインタビュー、23日に掲載している。松本総務相は、人工知能(AI)のルールに関し「開発をいたずらに規制する形は望ましくない」との考えを示し、プライバシーや知的財産権の保護などの課題については、「各国には既存の法律がある」と答えている。
ChatGPTなどの高性能なAIへの対応は各国で異なる。伊では一時使用禁止が報じられ、米バイデン大統領も個人情報を保護する法整備の必要性を訴えている。一方、岸田文雄首相は4月10日、総理官邸でChatGPTを開発したオープンAI社アルトマンCEOと、G7の首脳としては初めて面会した。日本はG7の中では最も前向きだ。
産経新聞によると、5月に広島市で開催される先進7か国首脳会議(G7広島サミット)でも、ChatGPTなど、文章や画像を自動で作る生成AIについて議論が行われることになるという。