「忘れられた画家」若冲を再発見 米の美術コレクター「長い間、孤独でした」

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予言通りの「理解者」

   この若冲に、辻さんよりも先に着目していたのが、プライスさんだ。1953年、父が経営する石油パイプライン会社に勤務していた24歳のころ、ニューヨークの古美術店で若冲の作品「葡萄図」に出会い、独自に若冲コレクションを始めた。以来、江戸絵画のコレクションが600点を超えるという。

   若冲は京都生まれ。生家は錦小路の青物問屋。家業を継いだが、40歳ごろに引退。その後は好きな画業にいそしんだ。当時すでに人気が高かったが、画壇の本流ではなかったこともあり、やがてほとんど「忘れられた画家」となっていた。

   しかし、若冲は、「千載具眼の徒を待つ」という言葉を残していた。「理解者は長い時を経て現れる」という意味だという。

   プライスさんがその「理解者」となった。2013年8月1日放送の「クローズアップ現代」に登場したプライスさんは、「一番の理解者」になれた理由について、「それは美術の教育も受けず、専門家の言葉に影響されなかったからかもしれません」と語っている。

   国谷裕子キャスターに、「長く理解されず、孤独ではなかったですか」と聞かれると、「ずっと孤独でしたよ」とも語っていた。

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