SAWA「霊媒師」感覚で作詞 元高校教師DTM作曲家が信じる「繋がり」

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「まんべんなくこなす」から、次につながる

   終盤、SAWAさんは「今の界隈に全然なじめなかった時期があった」と明かした。

SAWAさん「アイドル文化と言いますか、イベントで『必ずここでお客さんがこうする』というフォーマットが初期はわからなかった。文化を学ぶところからのスタートでしたね」
山下さん「ずばり、アイドル文化における『フォーマット』とは」
SAWAさん「BPM(編注:テンポの単位)がまず違うし、参加型なんですよね。『お客さんが何をするか』が重要。こっちが一方的に発信するんじゃなく」

   「お客さんに参加してもらい、共に楽しむ」機会を、楽曲の中に作り込む必要がある。その点に気づいてから、制作内容がかなり変わってきたそう。

   また、自身とファンの関係性だけでなく、「オタク同士の横のつながり」も大切にしており、イベントでの「共演者もファミリー、共演者のオタクもファミリー」として、チーム全体で共有していると話す。人前に出てパフォーマンスしつつ、集まった人々をまとめて「いい雰囲気にしていく」点では、高校教師をしていた頃と「やっていることは、あまり変わらない」。

   クライアントワークや作曲など、内にこもって集中する仕事が増えても、「まんべんなくこなす」姿勢で、自分が出役になる機会はなくさないようにしている、とSAWAさん。

SAWAさん「インプットしつつ、アウトプットもしていると、制作の仕事がやってくる。全部が点と点で繋がっているんですよね。全て自分のためになると思ってやっています」
山下さん「わかります。クライアントワークで作ったものを公表すると知名度が上がり、それをもとに自主制作するとファンがついてくれ、また次の依頼に......という流れができます」

   作リエ終了後、山下さんは「やはり人との繋がりは大事なのですね。これからの活動に生かします」とコメントした。クリエイターでありながら、「ティーナ族」という「自称天使系アイドル系クリエイティブユニット」を抱えるプロデューサーでもあるため、SAWAさんの考え方から刺激を受けたそうだ。

   SAWAさんも「映像畑のクリエイターさんと深いお話をする機会は貴重」であり、勉強になったと話した。

「特に、山下さんもアウトプットしながら取り組んでいる、自分の色を大事にしながら制作されているという点ではとても共感できました」

   第20回作リエは、2023年4月26日実施予定。

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