『レコード芸術』休刊 70年以上続く雑誌、音楽関係者は存続の署名活動

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

   雑誌不況が続いている。2023年に入ってすでに、「週刊ザテレビジョン」(KADOKAWA)が休刊。「週刊朝日」(朝日新聞出版)も5月末の休刊を明らかにしているが、新たに「レコード芸術」(音楽の友社)も2023年7月号で休刊になる。クラシック音楽界の老舗雑誌だけに、関係者の衝撃は大きく、存続を求める署名活動も始まっている。

  • レコードの時代から親しまれてきた雑誌も休刊へ
    レコードの時代から親しまれてきた雑誌も休刊へ
  • レコードの時代から親しまれてきた雑誌も休刊へ

「大きな状況変化」が要因

   「レコード芸術」は1952年3月に創刊。70年にわたってクラシック音楽ファンに親しまれてきた。1963年から毎年、日本のクラシック分野の優れた新譜を顕彰する「レコード・アカデミー賞」も主催してきた。読売新聞によると、近年、発行部数はピーク時より数万部少ない10万部まで減少していた。

   音楽の友社は、同社のウェブサイトで、「当該雑誌を取り巻く大きな状況変化、用紙など原材料費の高騰等の要因により、誠に残念ではございますが2023年7月号(6月20日発売)をもちまして休刊にいたすこととなりました。長きにわたり支えてくださった読者の皆様、ご寄稿いただいた執筆者の皆様、レコード会社各社をはじめクライアントの皆様、制作にご協力いただいた関係者の方々に御礼申し上げるとともに、今後もご購読を予定されていた読者の皆様に心よりお詫び申し上げます」と発表している。

「週刊朝日」も休刊

   突然の休刊に、音楽関係者の間には困惑が広がっている。音楽評論家の沼野雄司さんらは存続を求めるオンライン署名を始めている。

   朝日新聞の取材に音楽評論家の長木誠司さんは、「『レコ芸』は、レコードを中心に発展してきた20世紀の音楽文化の根っこを支え続けた雑誌。もしなくなれば、日本のクラシック音楽文化の重要な核のひとつが確実に壊れる。影響は深刻」と語っている。

   雑誌業界は、インターネット拡大による読者離れと部数減などで経営難が深刻になっている。長く親しまれた雑誌でも、1982年創刊の「週刊ザテレビジョン」は3月1日発売号で休刊。1922年創刊の「週刊朝日」も5月末の休刊を明らかにしている。

姉妹サイト