王を討ち取る??
「GPT版メロス」はここから、メロスがセリヌンティウスに王の居城に侵入し、殺害することを提案される。それを受け入れ、セリヌンティウスに従って反乱軍のアジトに向かうと、市内で出会った老爺に再会した。実は老爺こそが反乱軍をまとめるリーダーであったこと判明し、攻撃を企てている最中だという。メロスもそこに加わることに。
ここまで、メロスは走っていない。走る気配もない。そして、ここから急転直下、物語は結末を迎える。
「翌日、反乱軍はアクロポリスに攻め入った。激しい戦いの末、ついには王を討ち取られ、自由が取り戻された。メロスはセリヌンティウスや老爺らとともに市民たちの拍手喝采を浴び、感動に打ち震えた。 この出来事を通じて、メロスは政治の重要性を学び、自らも市民として社会に貢献することを誓った。そして、花嫁の衣装や祝宴の御馳走を手に、村に帰ることにした。ただし、今回の経験を忘れないように、自分に語りかけながら」
「走らないメロス」になってしまった。3日間のドラマチックな展開も、暴君の改心も、ラストの熱い友情の「殴り合い」と涙も、描かれていない。ただし、違った形の「感動」とハッピーエンドは、「太宰メロス」を踏襲した...と言ってよいのだろうか。