「出産一時金」増額ありがたいが 新たに浮上した「保険適用」なぜ

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「たたき台」に盛り込まれる

   出産一時金制度には、こうした問題があるため、以前から「むしろ出産費用を保険適用にするべきではないか」という議論があった。

   そうした考え方を強く後押ししたのが菅義偉前首相だ。日本テレビによると、訪問先の那覇市内で23年3月20日、記者団の質問に以下のように語った。

   「若い夫婦には、大きな負担になると思ってますので、出産費用そのものを保険適用させていただいて、そうして、個人負担分を支援していく」。出産前の妊婦の健診についても、「保険適用の対象にすべきで、自己負担分を支援すべき」。

   読売新聞によると、「地域や病院によって(出産費用は)大きな差が出ている」ということも指摘した。

   出産一時金のアップは、22年12月、少子化対策として岸田文雄首相が表明したもの。いざ実施の直前になって、菅前首相が新たな政策を提言した格好だ。

   このため、各紙の報道によると、政府が3月末にまとめる少子化対策のたたき台にも急きょ、「将来の課題として出産費用への保険適用を検討する」(日経新聞)という方針が盛り込まれる見通しとなった。

   なお、似た名前で「出産・子育て応援交付金」というのも22年度から始まっている。厚生労働省によると、妊娠届出や出生届出を行った妊婦らに、出産育児関連用品の購入費助成や子育て支援サービスの利用負担軽減を図る経済的支援(計10万円相当)などを実施する事業だ。

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