有言実行の「反撃」
1回の裏、100 Mile Splittersからはalpaca選手が登板。リアアリスアイドルズの1番は野球経験者のサナキ選手だ。初球から特大ファールを放ち、球場がざわつく。しかしalpaca選手が160キロの超高速スライダーやチェンジアップを混ぜる巧みなピッチングを披露。アイドルズ打線は沈黙した。
ハイライトのひとつは、5対0で迎えた2回の裏、無死一塁で再び回ってきたサナキ選手の打席だ。初回に空振り三振を喫したサナキ選手は、バッターボックスに立つと「僕は同じ相手に二度負けない」とリベンジ宣言。
そしてalpaca選手の2球目を、ライト方向ギリギリへ大きく引っ張った。球は切れずにスタンドイン。有言実行の2ランホームランに、場内が沸いた。サナキ選手は記者のカメラの前に走ると、メキシコ代表のランディ・アロザレーナ外野手のように腕組みポーズを見せた。
その後も熱戦は続くが、最後まで「100 Mile Splitters」がリードを保ち勝利。13対3の大差で、決勝(3月25日)へコマを進めた。変化球の多彩さや駆け引きにリアリティーがあり、現実の野球のように見ていて飽きない試合だ。
大会主催のNinoさんによると、「YakyuBan(野球盤)」は「はむへり」さんというユーザーが作ったワールドだ。毎週土曜日、ここに野球好きが集まっての「練習会」イベントが実施されているが、大会はひとつも存在せず「もったいない」とある日Ninoさんは考えた。そこで出場チームを募り、22年8月から自身で大会を開催するようになった。「野球好きの方が多く、(野球大会としての)レベルは高いです」と語る。
春・夏の甲子園や秋季大会という現実の高校野球の大会時期にあわせて開いている。今回は春の甲子園(第95回記念選抜高等学校野球大会)のタイミングに平行して開催した。「センバツに合わせて開いたら、偶然WBCも開催されていました」と語った。