不祥事が相次ぐ
電力会社は値上げ申請をする一方で、不祥事が続いている。朝日新聞によると、昨年12月には企業向けの電力供給をめぐり、公正取引委員会が中国、中部、九州などに独占禁止法違反で総額約1000億円の課徴金納付命令を出す処分案を通知した。
さらに昨年末以降、大手電力の小売り部門が、競争相手である新電力の顧客情報を不正に閲覧していた問題が続々と発覚した。
こうした事態を重視しているのが、河野太郎消費者担当相だ。毎日新聞によると、3月13日の内閣府消費者委員会の有識者会合で、電力大手7社が国に申請している家庭向け電気料金の値上げについて、「単に料金の問題にとどまることなく、トータルパッケージで議論し、結論を出さなければならない」と述べた。
不祥事が続いている会社の値上げ申請を、そのまま認めるわけにはいかない、という厳しいメッセージだ。
電力会社の値上げ申請は、主管官庁の経産省から再考を求められ、消費者の立場も重視する河野消費者相からもイエローカード。仕切り直しを迫られる異例の事態となっている。