アプリ開発など幅広く手掛ける西海クリエイティブカンパニー(長崎県西海市)は、同社が提供するAIを活用したLINEアプリ「ばりぐっどくん」シリーズの合計ユーザー数が、333万人以上を記録したと、2023年3月16日に発表した。同時に、社員1人あたり2種類以上のAIを部下に持つことを義務化した。
AIにどのような業務をサポートさせているのか。同社代表取締役の宮里賢史さんに取材した。
AIのアシストで、ミーティング大成功
現在公開されている「ばりぐっどくん」は20種類超。同社では、メール文作成、プレスリリース、ウェブページの文章、名刺デザイン、パワーポイントの資料作成(文字部分)を、原則全て、まずAI(ばりぐっどくんシリーズ)で作ることを義務付けている。
「(この作業を)AIでやるなら?」という疑問からスタートし、その後「人間だからできる部分」に着手する。このフローを徹底すると、「AIに任せていいこと」と「自分だからできること」を、くっきりと区別できる、と宮里さんは考えた。
さまざまな企業と連携している同社は、チャット型AIの「ChatGPT」を活用した「教えてばりぐっどくん」を使って、ミーティング前の準備も行う。議題をテキスト入力し、「アイデアを30個」ほど用意させるのだ。具体案が出そろった状態でスタートできるため、「30分で企画内容から顧客の意思決定までつながった事例」もあるという。
目指すは「AIと働くスペシャリスト」
業務負担軽減の具体例は、ほかにも。
「提案文章を考えるなど、0から1を生み出すための時間が半日ほど削減できた」と語る社員がいたり、文章の校閲や情報検索に使われていたりと、「少なく見積もっても(負担が)半分以下になっているものも多くあると思う」と、宮里代表。
「『ばりぐっどくん』は、人口減少がすすむ社会でも、(AIが)人の代わりに働いてくれる世界を作るために生まれてきました」
今回の義務化は、この理念を体現するため、「まずは提供している自分たちがAIと働くスペシャリストでないといけない、と考えた結果」と明かした。
記者もさっそく、AI部下を採用した。この記事のサムネイル画像は「イラストお絵描きばりぐっどくん」が生成したものだ。「近未来・傑作・人工知能」というテキストがもとになっている。