東京大阪間でつながる
今回取材したのは、コクヨのオフィス内に一時的に設置された、体験用展示施設だ。同社は、実際にオヴィスを採用している。実在するオフィスをバーチャル上に再現。さらに東京と大阪の拠点を繋げるようにした。
実際のオフィスのエレベーター前には大型のタッチパネルが設置され、出社している社員の居場所がバーチャルオフィス上で確認できる。各自が携帯しているスマートフォンのアプリに位置情報機能を持たせ、オフィス内には位置情報を特定できる「ビーコン」を設置。これにより、社員がどこにいるかをほぼリアルタイムで把握しているという。さらにタッチパネルからは、個別の社員へ呼びかけもできるそうだ。
これらの機能は、フリーアドレスを導入している会社では社員の在籍確認でいっそう効果的だろう。また地理的に離れたオフィスを繋げば、遠方の社員同士でも、距離を感じずに簡単に雑談や軽い相談のできる状況を作れる。
一方で、オヴィスが「監視ツールじゃないか」との質問をぶつけられることがあるとジョンさん。しかしこれは、実際のオフィスでも起きている社員の行動を「見える化」しただけだと言う。「新人と先輩が話している」、「課長は会議で席を外している」、「あの人、今休憩中」といった各自の動きを、オンライン上で分かるようにしているのだ。
会議中のメンバーも、もちろんバーチャルオフィス上で可視化している。仮に会議の参加者が幹部クラスだと、社員はその重要性や緊急性を感じ取り、程よい緊張感を生んでくれるそうだ。