老舗の経営を引き継いだわけ
アリババの閉店は、ゲーム機の卸売業者を通して知ったと西森氏は話す。「よかったら経営を引き継がないか」とのかたちで業者から紹介があり、西森氏は現地の様子を何度か調査した。
アリババに設置されているゲーム機は古い機種が多く、昔ながらのゲームセンターの雰囲気だという。節電システムや最新機種を積極的に取り入れている「コミ丸」とは雰囲気が異なり、経営方針から引継ぎは難しいと当初は考えた。
一方、長年地域密着で営業しているこの店に、熱心な常連客が存在することに気付いた。例えばゲームプレーの様子を録画したり、インターネットで配信したりするための機材が何台も、客の負担で寄付されているのだという。またアリババを支援するため、客が主導で集まり、店内でのゲーム大会を定期的に開いていることを知った。
「『この場所を失わないためにできることはないか』と、お客様同士が何かをやっているすごいお店だと。ちょっと感動しました」と西森氏。節電システムを取り入れたうえで、最新のゲーム筐体も導入し、古くからの客に加えて新たな客層も呼び込むことで、ゲームセンターとして生まれ変わらせることができるのではないかと考えたとのことだ。