「寂聴文庫」や「寂聴奨学金」
城東高校は徳島県内屈指の進学校だ。1 学年270人ほどだが、東大、京大、阪大に20人前後が合格する。医学部志望者も少なくない。実際、部員の半数は塾通いをしている。
創立は1902年。戦前は徳島高等女学校。戦後、共学になったが、伝統的に女子学生のほうが多い。現在も在校生の半数強が女子だ。
有名な卒業生が瀬戸内寂聴さん。「創立100年」の時は母校で講演した。同校ウェブサイトによると、図書室には「寂聴文庫」というコーナーがある。全集はじめ、代表作である『源氏物語』現代語訳や"ぱーぷる"の名で出されたケータイ小説、法話集など260冊の書籍を所蔵している。
また、「瀬戸内寂聴 奨学金」でも後輩を支援してきた。同校サイトによると、「この奨学金は,徳島県立徳島高等女学校第36回卒業の瀬戸内寂聴氏より寄託いただいた浄財を基金としています。有為な人材の育成を図るため,経済上の理由によって学業の継続が困難な事情にある生徒に,本校在学中支給するものです。この奨学金は,返済の義務はありません」とのことだ。
いわば「寂聴愛」に包まれているのが城東高校だ。「旧・名門女子校」がセンバツ出場するだけでなく、甲子園で女子マネがノックを打つとなれば、フェミニズムに縁が深い泉下の寂聴さんもびっくりするにちがいない。
徳島県勢のセンバツ出場では、1974年の池田高校が有名だ。部員11人で準優勝。「さわやかイレブン」として歴史に刻まれている。「13人」の城東も、「女子マネ」で新たな歴史を刻むことが確実だ。