酒瓶が足りない 「お手元にあれば酒屋、酒蔵に返して」メーカーの叫び

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   酒造業界で使われる酒瓶に、品不足が起きているようだ。これに対応するため、使用する瓶を別の素材に変更する事例が出ている。

   清酒「かたふね」で知られる竹田酒造店(新潟県上越市)公式ツイッターは、2023年2月26日、「酒蔵、瓶が少なくかなり困っています」と投稿し、瓶回収への協力を呼びかけた。

  • 酒の瓶が足りなくなっている (写真はイメージ)
    酒の瓶が足りなくなっている (写真はイメージ)
  • 酒の瓶が足りなくなっている (写真はイメージ)

一升瓶が不足している

   竹田酒造店のツイートによれば、瓶の販売業者に普段どおり注文をしたところ、「瓶が品薄」になっていると告げられた。製瓶業者1社が閉業した影響との説明だ。

   「ひとまず一升瓶だけでもお手元にあれば酒屋、酒蔵に、返してください。再利用します」と呼びかけた。

   竹田酒造店のツイッター担当者に取材した。未出荷品を保管するにあたり、同社では一升瓶に酒を詰める作業を行なっているが、この瓶が少なくなっているという。こうした事例は、地域差はあれど全国で起きているのではないかと話す。

「八海山」では使用瓶を変更

   日本酒「八海山」で知られる八海醸造(新潟県南魚沼市)広報にも取材した。同じく酒瓶不足の影響を受けており、2022年12月には製品の容器を変更する事態が起きた。

   具体的には「特別本醸造 八海山」の180ミリリットル製品について、これまでは遮光性の高い「茶色ガラス瓶」を使用していたが、これが欠品に。使用する容器を「黒色ガラス瓶」という素材に変更した。酒造業界における瓶不足については、昨年末から「全国的な課題となっている」と捉えているという。

   背景として、製瓶業界では製造に用いる窯の老朽化が相次いで判明しており、瓶の製造を中止する事例があったほか、業界の人員不足といった影響が重なったことが原因と認識しているとのことだ。

   酒類や食品関連の専門誌を扱う日刊経済通信社(東京都中央区)。同社発行の日刊紙「日刊通信食品」(電子版)2022年12月29日付記事によると、一升瓶の価格は供給不足を背景に上昇している。「直近2年ほどの出荷量の落ち込みによる回収びんの不足や、新びん供給量の減少が要因とみられている」とのことだ。

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