鳥インフルエンザに11歳の少女が死亡 人から人への感染が心配になる

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   鳥インフルエンザが世界で猛威を振るっている。人間にはうつりにくいとされているが、すでに海外では感染者も出ているうえ、カンボジアでは少女が死亡した。世界保健機関(WHO)は警戒を強めるように呼び掛けている。

  • 日本ではまだ、人への感染例は確認されていない
    日本ではまだ、人への感染例は確認されていない
  • 日本ではまだ、人への感染例は確認されていない

家族内などの濃厚接触で起きる可能性

   今シーズンの鳥インフルエンザは、22年7月以降、世界各地で多発。日本では23年2月10日までに、約1362万羽の採卵鶏が殺処分の対象となった。これは、全国の飼養羽数の約1割に達し、鶏卵価格の値上がりや、卵関連食品の生産抑制など、国民の食生活にも影響を与えている。

   そうしたなかでWHOは2月24日、カンボジアで11歳の少女がH5N1型の鳥インフルエンザに感染し、死亡したことを公表した。

   時事通信によると、少女の父親も感染が確認されており、カンボジアの当局はWHOと緊密に連携して感染状況の調査を進めている。

   鳥インフルが人から人に感染するのはまれだが、家族内などの濃厚接触で起きる可能性はあると考えられている。WHOの当局者は、カンボジアのケースが「人から人への感染かを判断するのは時期尚早だ」と述べているという。

スペインやエクアドルで感染例

   今シーズンに入って、鳥インフルエンザの人への感染は、わずかだが報告されている。

   厚生労働省検疫所のウェブサイトによると、スペインでは2022年9月20日、養鶏場で働く労働者2人から鳥インフルエンザA(H5N1)が検出された。人から人への伝播は、確認されていない。

   2023年1月9日、エクアドルでも、農村部に住む9歳の女児の感染が確認された。裏庭の家禽類と接触していたことが原因とみられている。ラテンアメリカ・カリブ海地域で初めて報告された人への感染症例だという。

   日本感染症学会のウェブサイトによると、人への感染は1997年、香港で初めて報告された(18人発症、うち6人死亡)。さらに2004年以降、ベトナム、インドネシア、エジプト、カンボジアなどで感染例の報告が続き、2015年にはエジプトで年間に136人という最大規模の感染が起きた。しかし、その後は、人への感染報告がほとんどなくなっていた。

   WHOによると、2003年から19年2月までの約16年間の累積患者数は世界で860人、うち死亡数が454人。人が感染すると、致死率が極めて高い。ほとんどの患者は鳥との接触歴があった。日本ではまだ、人への感染例は確認されていない。

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