6年間で3600万円の奨学金
日経新聞の記事で注目を集めたのは、東京都足立区の取り組みだ。23年度から、これまで貸与型だった大学生向けの奨学金を給付型に切り替えるという。家計負担の大きい進学費用を支援するのが狙いだ。世帯年収800万円以下(4人世帯の場合)が対象で、募集枠は40人。
とりわけ、私立大医学部に進学した場合、6年間で最大3600万円が給付される、というのが目を引く。財源には区民や企業からの寄付金や特別区競馬組合からの分配金などを充てるという。同紙の取材に、近藤弥生区長は「医者になりたい、理系に進学したいという子どもの夢が実現できる自治体を目指したい」と語っている。
東京都はすでに、東京都立大(八王子市)の授業料無償化の対象者を、2024年度から拡大。これまでの「世帯年収478万円未満」から「同910万円未満」にする方針を明らかにしているが、足立区は医学部進学者について、さらに手厚くなる。