国会図書館デジコレで探る 「ギョエテとは俺のことかとゲーテ言い」の出典は

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「ギョエテとは俺のことかとゲーテ言い」とは誰が言い

   どこまで調べられるのか試すため、自分でも出典探しに挑戦する。テーマは、

「ギョエテとは俺のことかとゲーテ言い」

という川柳だ。

   多くの欧米語を「カタカナ語」として取り込んできた日本だが、中には本来の発音とだいぶ違っちゃったものも――という話は、一度は聞いたことがあるだろう。

   文豪・ゲーテ(Goethe)の名前も日本人が苦戦したひとつだ。その発音の独特さから、「ギョエテ」とか「ゴイセ」とか、今から見ると珍妙なカタカナ表記が数多く生まれた。「ギョエテとは~」の川柳はそれを皮肉ったもので、カタカナ語事情を論じるとき、今もしばしば引用される。

   作者とされるのは、明治時代に活躍し、毒舌の文学者として知られた斎藤緑雨(1868~1904)だ。

(画像2)斎藤緑雨。皮肉な警句を多く残していて、いかにもこういう川柳を作りそうなのだが......。
斎藤緑雨。皮肉な警句を多く残していて、いかにもこういう川柳を作りそうなのだが......。

   ただ、本当にそうなのかはよくわかっていないらしい。ゲーテについての資料を収集している「東京ゲーテ記念館」公式サイトは、こう解説する

「一般には斎藤緑雨が言ったということになっています。しかし、当館のこれまでの調査でも、その原典を参照できていません。従いまして、緑雨が本当にそう書いたのかどうかも不明です」
「新聞などの匿名コラムが好んで使う言葉ですので、(これも推測ですが)新聞にありがちな孫引きの孫引きで、もとは緑雨とは別の人間が書いた可能性もあります」

   「ギョエテとは俺のことかとゲーテ言い」とは誰が言い。さっそく、デジコレで調べてみることにしよう。

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