北朝鮮ミサイル「厳重抗議」効果さっぱり 「北京の外交ルート」その実体 

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拉致問題では極秘交渉

   ミサイル発射では、日本と北朝鮮の間に国交がないことが、事態を複雑にしている。朝日新聞記事によると、実際のやりとりについて、外務省関係者は「北京の(日朝の大使館の)担当者同士が直接会って話したり、電話したり、ファクスを送ったりする」と語っている。ただ、どの手段を使うかはその時々によって違うと言い、判然としていないという。

   加えて、北朝鮮との間では日本人の拉致問題が未解決になっていることが、さらに事態を難しくしている。

   同記事は、ミサイル発射での「厳重な抗議」はあくまで事務的なルートであり、北朝鮮との外交交渉では、秘密裏の別のルートが使われていることを補足している。拉致問題の解決のため、日朝首脳会談実現に向けた両国の政府高官による水面下での交渉などだ。

   18年7月には、北朝鮮の朝鮮労働党統一戦線部の金聖恵統一戦略室長と日本の北村滋内閣情報官がベトナムで極秘接触をしているが、政府はこうした水面下の交渉ルートについては一切公表していない、と同記事は指摘している。

   「厳重抗議」という文言は、日本国内でも、よく使われている。例えばインターネットで「宮内庁+厳重抗議」と検索すると、宮内庁による週刊誌記事への抗議文がずらっと出てくる。逐一報道されないが、皇室関係の記事には再三抗議が行われていることを知ることができる。

   しかし、北朝鮮とのトラブルは、ちょっとレベルが違うようだ。日本人拉致問題の解決が見えないうえ、いつ日本の領海・領土に落下してくるかもしれないミサイル。日本政府にとって北朝鮮との交渉は、国会や自民党幹部にも明かせないほど秘密性が高く、取り扱いに神経を使うことを強いられる難題となっている。

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