3か月かけて完成
もともと「クリアミュージアム」は、伊藤美藝社製版所が、自社で制作したNFTアートを展示するために作られたもの。電子書籍やインターネットの普及に伴い、低迷する印刷・製版業界で、「何か新しいことを」と模索する中でNFTに行き着いた。「日本の伝統色」をテーマに、200点のNFTアートを制作。世界最大手のNFTマーケット「OpenSea」でリリースした。
同じ頃、同社ではNFT全作品を飾れる空間作りを目指した。NFT関連プロジェクト中心メンバー5人のうち、VR空間の制作は全員が未経験。社内のデザイン部と内装を相談し、文献や資料を活用するなど試行錯誤を重ね、3か月かけて「クリアミュージアム」を完成させた。
今後の制作予定について、伊藤美藝社製版所プリンティングディレクション部の横粂俊仁さんに取材すると、「新たなメタバース空間を作る可能性はあります」という。また、「日本の伝統色というテーマをバージョンアップさせ、AI(人工知能)を利用した作品をつくることも案として出ています」とコメントした。