東京・浅草の老舗で、雷門の横に本店を構える「常盤堂雷おこし本舗」。原料の卵不足に伴う人形焼の販売休止を2023年2月3日に発表し、同日から実施中だ。人形焼は、店舗在庫限りとしている。
観光業は、コロナ禍で打撃を受けた。浅草も例外ではない。国内外の観光需要がようやく回復しつつあり、この先インバウンドの復活を期待できるかというさなか、「まさか」の事態に襲われた。
液卵の安定供給の回復「8月ごろ」
鶏卵原料の不足は、鳥インフルエンザの影響が大きい。そのため、大手外食チェーン店や北海道土産で発売停止する例が出ている。「物価の優等生」と言われてきた卵だが、今回は家庭にも直撃した。価格は、過去最高値を更新し続けている。
「常盤堂雷おこし本舗」は、店名の通り「雷おこし」が看板商品だが、浅草名物の人形焼も販売している。
発表資料よると、店舗及び通信販売で、人形焼7種類が販売停止になる。高病原性鳥インフルエンザ拡大で、取引先の液卵メーカーから原料の供給制限が通達されたこともあり、販売休止を決定したとの説明だ。
また、「鳥インフルエンザの感染拡大は春先ごろまで続く見込みで、液卵の安定供給の回復には8月ごろのとの報告を受けております」(原文ママ)と、影響が長引く可能性を示している。