図書館の「体験」再現したかった
青空文庫の書籍をVRChat上で3Dモデルとして読めるようにするシステムや検索機能自体は、他のクリエイターが制作したものだ。多くのクリエイターが、イラストや3Dオブジェクトを販売するサイト「BOOTH」で、「青空文庫システム」という名前で出品している。BOOTH内の出品ショップは、「スズ製作所」という名義だ。
NDC Libraryで配架されている本も「青空文庫システム」を利用している。VRChat上ではほかにも、青空文庫システムを使って本が読めるワールドが公開されている。ただ、ねむり木さんによると、NDC Libraryには大きな違いがある。ワールド名にもある通り「NDC」での図書分類を適用している点だ。
「図書館が好き」でよく利用していると、ねむり木さん。「どの棚に何の分類の本があるかを見ながら、欲しい本を探して手に取る体験」を再現したいと考え、この空間を制作したのだという。ワールドのデザインや、本ごとに背表紙へラベルを割り振られ、分類ごとの棚に本が配架されるシステムは自身で作り上げた。
なおNDC Libraryはあくまで図書館のような体験ができるワールドとして作ったものであり、正確には「公共図書館ではない」とのこと。現実の公共図書館は書籍や資料、建物だけでなく、運営するスタッフがいて初めて成立するものだと、ねむり木さんは考えている。