鳥インフルエンザの感染が拡大している。2023年2月14日の野村哲郎農林水産相による記者会見での説明によると、全国の殺処分羽数は1478万羽に達しており、全国で飼育されている卵を産ませるためのニワトリの約1割を殺処分したことになるという。
飲食店やコンビニエンスストアでは、卵を使った商品の販売を休止する事例が出ている。また動物園では鳥インフルエンザの発生を背景として、臨時閉園するケースが出ている。多摩動物公園(東京都日野市)は2023年2月14日、飼育する鳥類に鳥インフルエンザ感染が疑われる事例が発生したとして、16日から当面の間臨時休園すると発表した。
上野動物園は一部鳥類を展示中止
多摩動物公園の発表によると、「ツクシガモ」4羽に鳥インフルエンザ感染が疑われる事例が発生した。
まず、2月11日に園内の「カモ池」で飼育していたツクシガモ2羽が死亡しているのを飼育担当者が発見。2月14日8時半にも、同じ池で飼育していたツクシガモ1羽が死亡しているのを確認したという。
14日10時ごろに鳥インフルエンザ簡易検査を行ったところ、上述の個体3羽について陽性を確認。また16時ごろに、同じ池で飼育していたほかのツクシガモ2羽にも簡易検査を実施し、1羽に陽性を確認したため、安楽死処置を行った。
死亡したツクシガモ4羽は検体を国立環境研究所に送り、鳥インフルエンザの確定検査を実施するとのことだ。
またほかの都立動物園や水族園である上野動物園、葛西臨海水族園、井の頭自然文化園については園内で死亡した野鳥の監視体制強化や、野鳥に関する注意喚起、一部鳥類の展示中止をする。上野動物園ではすでにニホンコウノトリやオオワシなど、井の頭自然文化園ではニワトリやコジュケイの展示を中止しているほか、葛西臨海水族園については新たにコウノトリ、タンチョウ、クロツラヘラサギの展示を取りやめるという。