予算は増えていない
産婦人科医の宋美玄(そん・みひょん)さんは2月3日、プレジデントオンラインで配信された「『50万円の出産育児一時金は小手先に過ぎない』 産婦人科医が岸田政権のあまりにズレた少子化対策に憤るワケ」という記事で、興味深い指摘をしている。
「そもそも出産育児一時金が42万円から50万円になったところで、政府の懐はいたみません」
「42万円が50万円になるということは、20%弱の値上げですが、ここ6年で2割以上、出生数は減っていますから、政府の出す出産育児一時金は、それほど増えていないのです」
「たとえば2016年の出生数は97万6978人でしたが、2022年は推計約77万人と考えて(厚生労働省「人口動態統計」より)、単純計算しても98万人×42万円=4116億円だったところが77万人×50万円=3850億円に。むしろ減っているのです」
「政府は、いかにも大盤振る舞いしているかのように喧伝していますが、実は予算を上げていないということを、まず、みなさんにも知ってほしいです」
朝日新聞の記事で、産婦人科のコンサル業務を手がける川崎光雄さんは、「出産育児一時金としては、最低でも55万円以上は必要と考えます。加えて、東京と地方の費用格差も大きいので、全国一律の設定にも改善を求めたいです」と語っている。