QRコード付きの墓標に、写真立てを兼ねるコンパクトな骨壺。インターネット上の「墓地」と、自宅に置ける写真立てタイプの墓を組み合わせた「デジタル墓」が2023年2月6日、発売された。ソフトウエア開発・販売を手掛けるスマートシニア(神奈川県川崎市)が販売する。
3グラムまで納骨できる
インターネットを使用した墓参り自体は以前から存在する。墓参りできない人のために、管理者や代行サービスが実際の墓の映像を映している中お参りするタイプと、墓そのものがインターネット上に存在する単独タイプがある。
そのハイブリッドといえるのが「デジタル墓」だ。幅60ミリ(mm)、高さ50ミリ、厚さ55ミリの「カロート」と呼ばれる納骨スペース付きの墓台 に、QRコードが印刷された墓標をはめ込む。QRコードには、故人の写真や動画を入れることが可能だ。墓台は遺骨ケースとして使い、3グラム(g)まで納骨できる。
収まりきらない遺骨について、スマートシニア代表の藤澤哲雄さんは 、「散骨する場合と分骨する場合がある」と取材に答えた。散骨・分骨時は粉骨が必要だが、ほとんどの散骨業者で対応してくれるという。
「墓じまい」考えている人にも
藤澤さんによると「デジタル墓」は、従来の墓をさまざまな理由で持たない人に向けたサービスだ。例えば散骨や里山樹木葬にする人、合同墓を選ぶ人、子がいない夫婦を想定している。引き継ぐのが難しいと考え、墓石を撤去して更地にし、使用権を墓地管理者に返す「墓じまい」を考えている人も対象だという。
デジタル墓はインターネット上なので、遠方に住んでいても距離を気にせず墓参できる。また墓の維持費がかからないために、承継も難しくない。発表資料によると、従来の墓が抱える問題を解決することができるという。
価格と内容は以下の通り。どちらも税込み。
「デジタル供養セット」1万4800円<デジタル墓標・つなぐカード・想いでサイト> 「デジタル自宅墓」2万4800円<デジタル供養セット・墓台・アクリル写真入れ>