漫画のストーリーや絵の中に、広告を掲載できるサービスが登場した。漫画家とスポンサーのマッチングサイト「漫画ad.com」だ。マーケティング事業や映像制作を行う「GLUE STANCE」(東京都目黒区)が2023年2月9日に発表した。
キャッチフレーズとして、「漫画は広告枠だらけ!その広告枠、活用しませんか?」と掲げている。
漫画を通じてPR
劇中に出てくる酒瓶やパソコンの画面、自動車のボンネットなど、漫画の中にはさまざまなスペースがある。「漫画ad.com」を利用すれば、こうしたスペースを広告枠としてスポンサーロゴなどを組み込める。
発表によると、「漫画ad.com」サイト上では掲示板のような形式でスポンサーを求めている漫画を掲載し、広告出稿を考える企業側が発見できるようにする。申し込みに応じて「漫画ad.com」運営が仲介し、スポンサーと漫画家間の契約内容の交渉や調整を行う。
広告枠にロゴやデザインを挿入するのが基本的な形となるが、そのほか企業の名前や人物をストーリーに登場させるとの契約プランも用意している。
企業にとってのメリットとして、読者層を考えて広告を掲載することで、自社と価値観の近い人物をターゲットに会社やサービスをアピールできるという。
漫画家からすればスポンサー料による収益のほか、スポーツやSFなど高度な知識が必要なジャンルを題材とした漫画を書く場合に、こうした領域に精通した企業がスポンサーについていれば、設定作りのための情報収集が容易になるという利点があるとのことだ。
現状は試験的な「β版」という位置付けだ。今後、漫画家や企業のマーケティング担当者の意見を聞きながらサービスを改善していく。