漫画家に聞く「人体の描き方」 医大仕込み「解剖学」の知識生かして

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手術室に入り慣れている漫画家

   医大は「100人いて、99.9%は医者になる」世界だが、森脇さんは中退する道を選んだ。しかし経た過程は、確かな血肉になった。懇意にしていた解剖学教室の教授らには、「大学をやめて漫画家になる」と報告すると、「お前なら、そっち(の道に)行くと思った」と、喜んでもらったそうだ。

   デビュー作である医療漫画(サブカルメディカル)を手掛ける際には、制作に必要な資料をとるため、通った医大に取材依頼し、「森脇ならいいよ」と許可を得た。放射線センターや手術室にも特別に入って、撮影させてもらえたという。森脇さんは、自身を「手術室に入り慣れている漫画家(笑)」と表現する。

   誰かに押しつけられた、「やらされ人生」よりは、望んだ人生を送る方が楽しい、と森脇さん。締め切り前のつらさ、制作につきまとう「しんどさ」はあるが、漫画づくりはやはり面白い、と力強く語った。

マンガやアニメが大好きな、オタクのドクターが患者を救っていく「サブカルメディカル」
マンガやアニメが大好きな、オタクのドクターが患者を救っていく「サブカルメディカル」

   スペース終了後の二人に、話を振り返ってもらった。森脇さんは、自分のルーツを再確認できたそうだ。

森脇さん「最近、医学部時代を思い出すことも減っていたので、初心を思い出して、自作へのモチベーションを上げていこうと思います」

   山下さんは、「『本当に解剖したことがある経験』こそが、一般人では到底得られない財産」と評する。森脇さんが持つ異色の経歴と、「やらされ人生」から脱却するために重ねてきた、あらゆる場面での努力から、「自分も叶えたい夢を達成しよう!」と身が引き締まる思いがしたという。

山下さん「そして、自分の今までの経験を全て糧にして戦っているお姿は『どんなことも無駄なことはない』を体現しているように思えました」

   第15回作リエは、2023年2月15日実施予定。

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