「ボストン茶会事件」のねらい
「ボストン茶会事件」を追体験できるワールド「BostonTeaParty」は、「やってみたい」との思いで制作したワールドとの話。米国がまだ英国の植民地だった1773年、植民地政策に反発した市民が米ボストン港に停泊していた東インド会社の船に乗り込み、積み荷にあった茶葉を海に投げ捨てた事件だ。
米国発のサービスであり自由な空間であるVRChatを楽しんでいる日本人が、米国の歴史の「原点」ともいえるボストン茶会事件。これを体験したら「我々のアイデンティティーはどう変化するのか」を、実験的に試したかったねらいも、実はあるとのことだ。
ワールドづくりでは、技術的な理由から品質などを妥協することもあると、いとよさんは話す。本職のゲームクリエイターなどに比べると、3Dオブジェクトの美麗さや動作の快適性で「勝てるわけはない」と本音を漏らす。
しかしワールドの根本となる、自身が「やりたいと思ったこと」という発想面を他のユーザーが楽しんでくれている点は、モチベーションの中で「大きい」要素だ。「ずっとコンテンツの消費側でしたが、まさか提供する方にまわるとは」と振り返る。
「『面白そうだ』という思いがムズムズと湧き上がると、作らずにはいられなくなります」