大阪湾の淀川河口付近にとどまっていたマッコウクジラが、悲しい運命をたどった。大阪市の2023年1月13日付発表によると、同日に死んでいるのが確認された。クジラは、淀川にいたことから「淀ちゃん」と親しみを込めて呼ばれた。
大海原から突如、都会に迷い込んだ「珍客」――。「淀ちゃん」人気により、2002年の夏に首都圏を流れる多摩川に出没し、人気を集めたアザラシ「タマちゃん」を思い出す人も多いようだ。
横浜市で「住民登録」
死んだ「淀ちゃん」について大阪市は17日、体内に溜まったガス抜き処理を行った後、19日に紀伊水道沖へ沈下させると発表。予定どおり完了したことを、毎日新聞が19日付で報じた。
この一連の出来事に、ツイッターでは、「そういえばタマちゃんは最後どうなったの?」「タマちゃん思い出したわ」との反応が見られた。
「タマちゃん」は2002年、東京都と神奈川県の間を流れる多摩川に現れたアザラシ。「淀ちゃん」と同じく、発見場所の川から名づけられた野生動物だ。読売新聞オンラインの21年5月9日付記事によると、タマちゃんは2002年8月に多摩川で発見されたのち、鶴見川など首都圏の川をあちこち移動。03年2月に横浜市西区で「ニシ タマオ」の氏名で「住民登録」した。
2004年4月12日に荒川に現れたのを最後に、姿を見せていないとされる。
大阪の次は東京でクジラ現る
タマちゃん以外にも、突然出現した野生動物に発見地から愛称が付けられた事例がある。2009年、北海道釧路市の釧路川河口で発見されたラッコの「クーちゃん」だ。
日本の動物園や水族館情報を載せている「どうぶつのくに」公式サイトによると、同年2月に現れたクーちゃんは名前を呼ぶと「かなりの確率で近寄って来た」という。その後、5月8日に姿を消したが「1週間後、東に約150km離れた根室市納沙布岬に現れた」そうだ。
東京湾では2023年1月15日にトドが、同19日にはザトウクジラが目撃された。トドは「TBS NEWS DIG」の記事によると、同17日にも目撃されている。ザトウクジラは、NHKの20日付報道によると新たな目撃や船との衝突事故などの情報はない。だが、「淀ちゃん」に次いで今度は東京でのクジラ出現が、ニュースとなった。