家電量販店「ヨドバシカメラ」では、ゲーム機「プレイステーション5」(PS5)の販売に「条件」を付けるケースがある。クレジット決済機能付きのポイントサービス会員用カード「ゴールドポイントカード・プラス」の持参を、購入希望者に求めるのだ。ツイッター上のゲームファンの間では、カードの見た目が黒いことから「黒クレカ」と呼ばれている。
ただツイッターでは近ごろ、こんな書き込みを見かける。「黒クレカ」の提示を求めていた店舗がルールを変え、クレジット機能のない通常の会員証「ゴールドポイントカード」でPS5を買えるようになった――。
「やっと普通に買えるように」?
J-CASTトレンドは2021年5月、ヨドバシカメラを取材している。このとき同社は、同一客が大量にPS5を購入する事態を防ぐため、「ゴールドポイントカード・プラス」の提示を求めていると話した。
全店舗で求めているのかは判然としないが、2021~22年にかけて記者が何度か目撃した限り、「新宿西口本店」(東京都新宿区)や「マルチメディア新宿東口」、「マルチメディアAkiba」ではPS5購入にあたり「ゴールドポイントカード・プラス」、つまり「黒クレカ」が必要だった。
こうした状況が、変わりつつあるようだ。
「ヨドバシカメラ 梅田店」(大阪市)公式ツイッターは2023年1月14~19日、PS5の入荷を計4回告知した。販売条件は同年にPS5を購入しておらず、かつ「ゴールドポイントカードをお持ち」の人としている。
ツイートには、PS5の在庫状況を記した店内告知の紙が添えられている。「(PS5の)お求めにはいずれかのゴールドポイントカードが必要です」とある。すぐ隣には、必要なカードの画像を表示している。「ゴールドポイントカード」「ゴールドポイントカード・プラス」、そしてスマートフォンアプリ版「ゴールドポイントカード」の3つだ。
クレジットカード機能がない通常のポイントカードで購入できるとの説明だ。告知に対し、ユーザーからは「やっと普通に買えるようになった」「もうクレカ必要ないんかな」との反応が寄せられている。
昨年末は「黒クレカ」必要だったが
記者は23年1月中旬、東京都内にあるヨドバシカメラの店舗を訪れた。2022年12月ごろまで、PS5の購入には「ゴールドポイントカード・プラス」を求めていた店舗だ。以前まで、店頭に掲出されるPS5在庫状況の告知用紙には「ゴールドポイントカード・プラス会員限定」と書かれていた。
今回、記者が訪れたときにはPS5の「デジタル・エディション」の在庫があった。在庫状況告知用紙にあった「ゴールドポイントカード・プラス会員限定」の文字は、厚紙に覆われ、隠されていた。
店員に聞くと、「ゴールドポイントカード・プラス」は必要なく、通常のゴールドポイントカードでPS5が買えるとの説明だった。
通常のポイントサービス用のカードである「ゴールドポイントカード」は、ヨドバシカメラの店頭で申し込めばすぐに発行される。
しかしクレジット機能の付いた「ゴールドポイントカード・プラス」は、発行までに審査が必要だ。公式サイトによると、カードを受け取るまでに手続き完了から約2週間を要し、手間や時間がかかる。「ゴールドポイントカード」で買えるとなれば、PS5の入手難易度は下がるだろう。
記者は今後、全店舗でPS5の購入に「ゴールドポイントカード・プラス」が必要なくなるのかヨドバシカメラ広報に問い合わせたが、担当者は回答を差し控えた。