始まりは「SDGs」ではなかった
宮島さんは、サス・ゲーはそもそもSDGsを学んでもらう目的で始めたわけではないと明かした。サス・ゲーで経験したことが、実際の世界でも起こっていると知ってもらう。その先に学ぶ内容としてSDGsの各項目があったというわけだ。
「SDGs」というワードが誕生する以前から指摘されてきた、各種の社会問題、環境問題が含まれる。サス・ゲーで起きた「森林火災」は、「15・陸の豊かさも守ろう」や「13・気候変動に具体的な対策を」をゴールとして割り当てられる。サス・ゲーで宮島さんは子どもたちに、「現実ではこのように起きている」と説明を挟み、「この選択をするとこうなる可能性がある」と示していた。
途中、大人が介入して戦争回避できる場面もあった。柿沼さんは、ゲーム中に助言したくなるという。しかし、「子どもに、考えて選択してもらうのが大事なので難しい」。振り返り時も、「『人はどんなときに戦争を起こしたいという気持ちになるのか』を体感することに、このサス・ゲーというイベントの本質があると感じています」と、意義を話していた。