「平和条約」を結んでいたはずが戦争に
仕掛けた先は、「平和条約」を結んでいたはずのアレテだ。アレテは当初、回避を試みたがホルンはかたくなに拒否していた。この時、ホルンは人口最多国で、アレテはその人口の半分以下だった。戦力差が大きいので確実に勝てる確信が、ホルンにはあったからだろう。
両国と平和条約を結んでいたポテスタは、どちらかと軍事同盟を結ぶ決断を迫られた。アレテの人口にポテスタが加わったところで、ホルンの人口には及ばない。敗戦時のリスクを考えたのか、ホルンを選択した。ミチシオンは静観の姿勢を示していたが、最終的にアレテと軍事同盟を結んだ。結果はホルン・ポテスタ同盟の勝利に終わり、負けたアレテ・ミチシオンは「賠償金」として多くの資源を両国に送った。
最後の年、各国では目標達成に向け動いたが、ここでもテロや森林火災が各国をおそう。アレテでは海面上昇により、国土の半分が失われた。
これで「ゲームオーバー」。各国ともに自国のミッションはクリアできたが、終了までにすべての国が発展するという目標は達成できなかった。ホルンとミチシオンで、大幅な人口減少が起きていたためだ。
終了後、宮島さんは子どもたちに、「なぜ戦争を起こしたのか」「戦争を回避するための努力はしたのか」という問いを投げた。ホルンの子たちはすぐに答えることができず、考えを巡らせていた。しばらくして、「大臣が決めたから」との発言が出た。宮島さんは、こう諭した。
「みんなで話し合って決めたことだよね。人のせいにしたらダメだよ」
子どもたちの間で空気は一変し、さらに真面目に考えている様子がうかがえた。