米ツイッター社は、有料サービス「Twitter Blue」を日本で提供開始した。料金は2023年1月12日現在、月額980円(iOS版ツイッターアプリで申し込むと1380円)。利用すると、アカウント名に青いチェックマークが付与され、ツイートした文章を投稿後に編集できるなど、いくつかの独自機能を使える。
また、「表示される広告数が半分に」なる機能が近日実装されるとの告知が出た。料金を支払っても広告が残る仕様に、ツイッター上では「割高」とする反応が相次いでいる。
ターゲットは一般ユーザーではない?
ツイッター上では、頻繁に「YouTube Premium」と比較する意見を見かける。動画サービス・ユーチューブが月額1180円で提供する、有料オプションだ。加入するとユーチューブの動画再生中に出てくる広告が表示されなくなるほか、楽曲再生サービス「YouTube Music Premium」を利用できる。
ユーチューブ公式ブログの11月9日発表によると、「YouTube Premium」と「Music Premium」の加入者は、全世界で計8000万人に達している。
広告が「半分」に減るTwitter Blueと比較し、「これならYouTube Premium入った方がお得では」「YouTube Premiumと比べると割高感が半端ない」といった意見がツイッターで出ている。
ただ、Twitter Blueに加入すると先述した内容に加え、いくつかのサービスを利用できる。通常、ツイッター上への動画は、最長2分20秒のものしか投稿できない。これが、最大60分までの長尺動画をアップロードできるようになる。ほかに、「ブックマーク」に追加したツイートを、後で簡単に見つけられるようフォルダに分けて整理できる。
ITジャーナリストの井上トシユキ氏に取材した。そもそもTwitter Blueは一般の個人ユーザーというよりも、主に「企業や(商業活動をしている)著名人をターゲットにしている」と推測する。
企業にとって「大した経費ではない」
井上氏によると、長尺動画を利用すれば自社製品の宣伝、アイドルであれば自身の楽曲ライブ映像の様子などを投稿できる。また公式認証マークがなくとも、もともと信用に値するユーザーであることを示すのに用いられてきた青いチェックマークの付与を受けられるほか、業務上不要な広告が減る。こうした点が企業や法人にとってはメリットだと語る。
ツイッター社はTwitter Blueの提供を通して、企業や商業活動する著名人が今後ツイッターを、プロモーション利用できるプラットフォームにしようとしているのではないか――。井上氏は、こう分析する。
利用料金の月額980円は、企業からすると「大した経費ではない」。一方で、個人からするとツイッター上で指摘されているように、料金に比べて「そんなにメリットはない」との考えを示した。
また現状、ツイッター社としてはTwitter Blueに対するユーザーや企業の反応を「様子見」している段階で、寄せられてくる要望に合わせて今後サービス内容や料金を改訂していくのではないかと予想した。