PayPay「インフルエンザ特化保険」で思い出す 「コロナ保険」のその後

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   キャッシュレス決済アプリ「PayPay」内から加入できる「PayPayほけん(1dayほけん)」。「インフルエンザお見舞い金」という保険商品を、2023年1月11日に提供開始した。「PayPay保険サービス」と住友生命保険子会社の「アイアル少額短期保険」が販売する。

   住友生命の発表によると、インフルエンザに特化した保険商品は国内初とのことだ。ツイッター上ではこれを受けて、2021年ごろに注目された「コロナ保険」を連想する人が複数みられる。

  • 感染症に備えて、スマートフォンで保険加入 (写真はイメージ)
    感染症に備えて、スマートフォンで保険加入 (写真はイメージ)
  • PayPayで加入できる「インフルエンザお見舞い金」
    PayPayで加入できる「インフルエンザお見舞い金」
  • 感染症に備えて、スマートフォンで保険加入 (写真はイメージ)
  • PayPayで加入できる「インフルエンザお見舞い金」

少額の保険料で加入可能

   「PayPayほけん(1dayほけん)」は、PayPayですでに本人確認を終えているユーザーであれば、アプリ上で氏名などの情報入力が不要でスムーズに申し込める。

   契約期間中にインフルエンザA型もしくはB型にり患し、病院で抗インフルエンザ薬処方を受けると、治療保険金が支払われる。金額は年齢やプランによってまちまち。20歳~99歳で「お手軽」プランを利用する場合、保険料は月額250円、治療保険金は3000円だ。

   2021~22年にかけてはこのインフルエンザお見舞い金のように、少額の保険料で加入可能な、新型コロナウイルス感染症に特化した保険商品が注目を集めた。

   例えば、PayPayほけんが21年12月16日に提供を開始した「コロナお見舞い金」。引き受け会社は損害保険ジャパンだ。新型コロナウイルス感染時に感染すると、5万円の保険金が支払われる。当初の保険料は3か月あたり500円だった。PayPay社の22年1月21日付発表では、「コロナお見舞い金」の加入数は提供開始から1か月で5万件を超えたとなっていた。

   ところが感染拡大の影響により22年2月、保険料を1500円(3か月)に値上げ。22年8月4日には、コロナお見舞金の販売を新規・継続ともに停止した。損害保険ジャパンの同日発表によると、新型コロナ「第7波」による感染拡大が続いていた中、「感染状況を踏まえ」決定した。

    23年1月12日現在も、コロナお見舞い金は取り扱いが停止されたままだ。公式サイトにアクセスしても申し込めない。

爆発的な感染拡大の末に

   第一生命の子会社「第一スマート少額短期保険」が21年4月に販売開始した「コロナminiサポほけん」も、ツイッター上で話題となった。当初の保険料は3か月・890円で、新型コロナウイルス感染症や、エボラ出血熱など1~3類の感染症にかかったと医師に診断された場合、「特定感染症一時金」として10万円が支払われた。

   公式サイトによれば22年7月11日、新型コロナ感染症の「これまでの感染状況を踏まえ」販売を停止した。23年1月12日現在も、停止されたままだ。

   少額の短期保険を提供しているjustInCase(東京都中央区)の「コロナ助け合い保険」は、2020年5月に取り扱いを開始した。新型コロナ感染を含め、ケガや病気で1泊入院した場合に10万円が給付される保険だ。毎月の保険料は「510円から」だった。しかし22年3月31日、販売がストップした。

    22年4月1日付の発表によると、「オミクロン株の爆発的な感染拡大によりご契約件数が急増するとともに、保険金請求も短期間のうちに予想を遥かに上回る額となったことが背景」だ。

   関東財務局の22年6月27日の発表によれば、justInCaseは保障内容の維持が困難となったことを理由に、同年4月6日から「コロナ助け合い保険」で支払われる保険金額を10分の1に減額する旨を公表。関東財務局は経営管理態勢の改善などを求めて同社に業務改善命令を出した。23年1月12日現在に公式サイトにアクセスしたところ、「コロナ助け合い保険」は申し込み受付を停止している。

   記者が調べた限り、1月12日現在、こうした少額で加入できる新型コロナ特化型保険商品で現在も新規受け付けを開始しているものは見つからなかった。

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