明るい内容のラップ増えれば
――自身でサイファーを開くようになった理由は。
ゑ6 定期的に通える場所でサイファーがしたかった。でも大学と自宅の間では、ほぼありません。ラッパーの人脈もゼロでした。私は女性ですが、同性のラッパーは男性に比べてまだ少ないため、初めて触れる人や女性でも緩くラップができる場所が欲しいと考えました。そこで、自分で開こう、と。ラップがうまくなりたい思いや、同期の友人が欲しかったのもあります。
――そうした目的は果たせましたか。
ゑ6 ラップの技術はさておくとして、友達はできました。別のサイファーで会った人に「早稲田でサイファーをしているので、来てください」と話すと実際に顔を出してくれたり、たまたま参加者同士が知り合いで新たなつながりができたり。
――サイファーに来る若者は、何を求めて集まるのでしょう。
ゑ6 私もそうだったのですが、大学や高校に入学した後でコロナ禍によりイベントが潰れたり、声を思いきり出せる場が無くなったりした。その点、サイファーは屋外ですし、参加者同士で距離を離せば少しマスクを外して楽しめる場でもあります。
――コロナ禍が落ち着いた後のサイファーに何を期待しますか。また、どのように変化していくでしょうか。
ゑ6 感染予防のためマスクを着ける必要が完全に無くなればいいなと思います。互いの声が聞こえやすくなり、もっと言いたいことがラップで語れるようになるでしょう。やはりコロナ禍では、コロナに感染したり、予定が消えたりなど、暗い話題でラップしているのを見かけます。明るい話題でバースを蹴る(ラップをする)機会が増えればうれしいです。