Z世代がハマる即興ラップ会「サイファー」 コロナ禍にめげない若者たち

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感染拡大...自宅でずっと1人ラップ

   この日、新橋サイファーに参加していた「K-ride」さんと「阿僧祇(あそうぎ)」さんに話を聞いた。どちらもMCネーム(ラッパーとしての活動名)だ。2人は沖縄県宮古島の出身で、共に19歳。進学による上京を機に、新橋サイファーに22年4月から足を運ぶようになった。K-rideさんは4月以降、毎週ペースでこのサイファーを訪れているという。

――ラップをはじめた理由は。

K-ride 始まりは中学3年生です。テレビ番組のラップバトルを見て、かっこいいと思いました。そこで、2019年ごろに地元(宮古島)にてサイファーをするようになりましたが、すぐに新型コロナウイルスの感染が広がりはじめたのです。学校の授業は無くなり、家からも出られず、自宅でずっと1人、ラップをしていました。

――上京をして、毎週サイファーに来るようになった感想を聞かせてください。

K-ride いろんな人とつながれて、想像以上に面白いです。地元では通話アプリを使い、インターネットを経由しての即興ラップもしていましたが、スマートフォンに向かってやるだけでした。現実のサイファーだと、人と対面してラップをできるのが楽しい。

――サイファーの魅力はどこか、教えてください。

K-ride この感想は独特かもしれませんが、音楽が流れてみんながラップをしている時に、仲良くなった人同士が音楽には乗らず普通に雑談をしている時があります。そういう瞬間が楽しいです。年齢も、考え方も違う。でも、ラッパーは他人とのコミュニケーションに遠慮しない人が多い。いろんな人の考えや意見が聞けて、面白いと感じています。

――新型コロナウイルス禍が落ち着いた後の「サイファー」文化に期待することはありますか。

K-ride コロナ禍では、ラップのイベントが減少していました。その反動で、「ラップをやりたい」という思いから有名なラッパーがサイファーに来るようになれば、とても楽しくなりそうだと思います。それに乗じて、「有名人がどこそこのサイファーに行くらしいから、参加してみよう」と、初めての人が増えていけばうれしいです。地元にはラップをする人が少なかったので。
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