便意の我慢で腸内は老廃物だらけ
旅行による食事や睡眠習慣、トイレ・住環境の変化によって起きる便秘は、「急性便秘」と呼ばれます。これは、一過性のもの。ビオフェルミン製薬のアンケート調査によると、女性の約35%、つまり3人に1人が「旅行に行くと便秘になりやすい」と回答しています。
あやさんの場合、食事・睡眠習慣の変化はもちろん、便意の我慢が大きな要因です。うんちが排出されなければ、腸内は老廃物だらけのゴミだめ状態に。結果、腸のぜん動運動が低下してガスが大量発生し、痛みを伴う腹部膨満感が起きたと考えられます。
一過性の便秘とはいえ、腸の中で硬くなったうんちをそのままにしておくと、それがどんどん硬くなって排便困難な状態になってしまいます。万が一にも、踏んばりすぎて痔になれば、痛みや出血によって排便を我慢してしまい、さらに排便が困難になる悪循環を招いてしまうかもしれません(一般社団法人 日本臨床内科医会「わかりやすい病気のおはなしシリーズ49 便秘」より)。最終的には、慢性便秘になってしまう場合もあるため、なるべく早く対策が必要です。
正解は「睡眠、起床、食事など普段通りの生活リズムで過ごす」。
急性便秘になったらまずは、生体リズムを元に戻すことが大切。普段の生活リズムをとり戻し、他人を気にせずにトイレに行ける状態にすれば、排便リズムも元通りになります。意識的にリラックスする時間を設けたり、早めに寝るなど睡眠時間を確保したりと、腸が活発に動くように工夫するのも良いでしょう。
食物繊維の摂取は、実は注意が必要。食べる種類が大切です。きのこ、玄米、さつまいもに含まれる食物繊維は「不溶性食物繊維」と呼ばれます。これは、うんちの「かさ」を増してくれる大切な成分ですが、今回のケースのように、腸の動きが低下して、既にうんちがたまってしまっている場合は、大量にとりすぎると詰まりを悪化させてしまう恐れがあるのです。