「ハイブリッド免疫」が不十分
両氏が特に重視するのは、国民のどれだけが免疫を獲得しているか、というデータだ。免疫にはワクチンによるものと、感染によるものがある。これは採取した血液で調べることが出来る。忽那氏によると、オミクロン株の流行が早かった英国では今年2月の段階で、「ワクチンと感染による両方の免疫」(ハイブリッド免疫)を持つ人の割合が、国民の約7割にも達していた。ところが日本では同時期、わずか約5%にとどまっていた。つまり、この段階では、まだ日本では国民の多くが免疫不十分で感染しやすい状態だった。
ワクチンは重症化リスクを抑える効果が高いとされている。しかし、豊田氏は、イスラエルのデータを利用した研究で、感染に対する予防効果は、ワクチン接種よりも自然感染経験者の方が長く持続することを紹介している。
そして、「日本はこれまで新型コロナに感染した人が少なく、感染による免疫を持つ人の割合が少ない状況の中で、感染力の強いBA.5が流行したことで、今回、感染数が大幅に増加したと推測することができます」と、第7波の感染者増を分析している。