毎年小学校で「革育」実施
山陽の事業推進部・森本耕治氏によると「牛一頭分の皮の重量は約56キロ、年間の畜頭数は日本国内で104万頭。皮は水分が多く燃えにくいため、もしも革製品として使わなければ、日本だけでも年間5万8000トンの廃棄ゴミが出てしまう試算となる(※)」という。
また森本氏は、「山陽で扱う牛革は100%食肉の副産物、革を作るために動物は殺されていません」と付け加えた。
同社では、毎年地元・姫路市の小学生を対象に工場見学を行っていた。コロナ禍の時期も、社員が革を持参して小学校を訪問。革ができるまでの工程を話したり、生徒からの質問に答えたりと、革を知ってもらう取り組みを続けている。今後は、HikU、山陽、曽我部の3社で「革育」として、海外からの旅行者へ向けたワークショップや、高校での革育の構想があり、活動の場を広げていくと意気込む。
(※)一般社団法人日本畜産副産物協会HP 畜産副産物の種類、政府統計 畜産物流調査のと畜場統計調査 2019年のデータをもとに山陽が算出。
(ライター・永井 玲子、写真・ツジタシンヤ)