世界最大のVR(仮想現実)イベント「バーチャルマーケット2022 Winter」(Vket)。ここに、化粧品業界としては初めて「マリークヮント コスメチックス」が参加し、ブースをオープンした。
フランス・パリを再現した「パラリアルパリ」というワールドに、「マリークヮント メタバース パリ店」として出展している。「メタバース調査隊Hack2」が、取材した。
「メタバース調査隊Hack2」とは メタバース(仮想空間)の魅力を取材する「VR記者カスマル」と、バーチャルBAR「Angel Kiss」店主を務めVRイベントを主催している「草羽エル」のユニット。メタバースにまつわるコンテンツやその面白みを2人で発掘、発信していく。
「Vket店」でしか買えないレア商品
「パラリアルパリ」に入ると、ユーザーが配置される初期位置からすぐ近くに「マリークヮント メタバース パリ店」がある。以前、VR記者カスマルが同ワールドの先行体験をしたときにも、その内部を少し取り上げた。
店では、同社がVketに向けて用意したキャラクター「MARY QUANT VKETちゃん」のアバターが出迎えてくれた。同社教育部の三好ひかる氏や経営企画室の藤森功氏、同室の青木奈弥氏が代わるがわる操作しながら、取材に答えた。
ブースは、ブランドの象徴「デイジー」の花マークが散りばめられた、ピンク調の外装。三好氏によると、デザインは「1960年代のポップとレトロをイメージ」している。実際のマリークヮントの店舗では白黒基調が多いが、普段では表現できない意匠をVR上では取り入れているという。
店に入ると、左側は「リアルグッズ販売」として、ネイルポリッシュやリップスティックなど実際に存在する商品が置かれている。触れると通販サイトに飛び、実際に購入できる。中でもトートバッグは今回のVket向けに用意し、ここでしか買えない「レア商品」との話だ。
反対の右側。リップスティックやネイルポリッシュの「3Dモデル」を販売している。中でもダイヤモンドの装飾を施したティアラが人気で、アバターに被せて撮影し、楽しんでいる人が多いという。
奥に進む。左側の鏡では、MARY QUANT VKETちゃんに1960年、80年、2022年それぞれの時代をテーマにしたメークを施せるコーナーを設けている。一方、右側は、リップスティックやアイシャドウパレットを展示。好きな色のリップスティックを、そばにある巨大な「デイジーバッグ」の黒い花柄に近づけると、リップにあわせて花の色が変わる仕掛けに。これでリップの色合いを確認できる。店頭に用意している実物のスティックと、近い色味に仕上げているとの説明だ。
アバターにメーク提案する時代を期待
藤森氏によると、マリークヮントのメタバース参入は、オーナー(代表取締役会長)・中山ユカリ氏の意向だという。今後メタバースが普及していく過程で、ユーザーによる「アバターを理想の姿に変えたい」という欲求が強まっていけば、同社としてもVR上でメークの提案ができるのではないか、との期待感もあるそうだ。
全国に116店舗を構えるマリークヮントだが、Vketユーザーは、同社やブランドを知らない人は多いのではないかと藤森氏。Vketを通して認知してもらい、今後実店舗の前を通ったときに関心を寄せてもらえればありがたいと話した。
取材をした12月11日は終日、パラリアルパリをマリークヮントが「ジャック」。空中に同社のポスターが無数に浮かぶ演出があった。なお18日まで、「メタバース パリ店」内部に提示しているポスターからアンケートに答えると、MARY QUANT VKETちゃんのアバターがもらえるキャンペーンを実施している。