チューナーを内蔵せず、地上波放送を受像しない「チューナーレステレビ」。これが、山梨県上野原市のふるさと納税の返礼品として登場している。
家電製品を製造販売する「アペックス」(金沢市)の製品「AP65DPX」だ。
4K映像に対応
上野原市公式フェイスブックは2022年11月11日、「AP65DPX」について「『アペックス』さんより4K対応65型チューナーレステレビが新登場」と告知。ふるさと納税総合サイト「ふるなび」に、同市の返礼品として掲載している。65型の大型サイズで、高画質な4K映像の再生に対応。設定されている寄付金額は29万円だ。
同種の映像機器は、基本的にはテレビ向け基本ソフト「Android TV」などを搭載し、インターネット動画を楽しめるものが多い。だが「AP65DPX」には、標準ではネット動画を閲覧する機能はない。
一方、最近ではテレビ向け基本ソフトを搭載し、テレビのHDMI端末に挿すことでネット動画を視聴できる小型機器が、中国シャオミや米アマゾンから登場している。
ふるなびの「AP65DPX」ページには「別途、4Kアンドロイドスティックを接続することでネット動画などを楽しむことができます」と書かれている。こうした機器を活用すれば、ネットコンテンツを閲覧できるとの説明だ。
市内に工場がある縁
上野原市政策秘書課の秘書広報担当に取材した。アペックスは上野原市内に工場や顧客向けのサポートセンターを構えている。この縁から市では以前より、チューナーを搭載する同社の通常のテレビを返礼品として取り扱ってきた。近ごろ「AP65DPX」が新発売されたのを受け、チューナーレステレビも返礼品のラインアップに加えたという。
担当者が把握している限り、ふるさと納税返礼品としてチューナーレステレビを扱っている例はほかになく、「珍しさ」も魅力のひとつと考えたとの話だ。