柄谷行人さんに「哲学のノーベル賞」 日本の「文系」が国際的に評価された

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海外でも客員教授

   日本の人文科学系の研究者は、主に日本語で論文を書くため国際的に注目される機会が少ない。

   しかし、柄谷さんは海外でも長く研究生活を送り、英文の論文も多い。米国のイエール大学やコロンビア大学で客員教授を務めるなど、国際舞台での活動も目立つ。このため、日本人のノーベル文学賞選定に関して、影響力を持っているのではと見る向きもある。

   大江健三郎さんとは1990年代に対話を続け、のちに『大江健三郎 柄谷行人全対話 世界と日本と日本人』(講談社)として単行本化されている。

   2005年から朝日新聞の書評委員。最近では『旧約聖書がわかる本 〈対話〉でひもとくその世界』(河出書房新社)、『新しい国境新しい地政学』(東洋経済新報社)、『遊牧の人類史 構造とその起源』(岩波書店)などの書評を担当している。

   近年、日本では「文系」に対する風当たりが強く、一部では「不要論」まで出ている。それだけに柄谷さんの受賞は、文系研究者にとって大きな励みになりそうだ。

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