2030年に予定されている冬季五輪・パラリンピックの札幌招致に、急ブレーキがかかっている。昨年の東京五輪に関し、大掛かりな汚職事件が摘発され、さらに新たに入札談合事件の捜査も進んでいるためだ。
不正事件の摘発続く
東京五輪・パラリンピック組織委員会会長を務めた橋本聖子参院議員は2022年12月1日、首相官邸で岸田文雄首相と面会。その後、記者団から、東京五輪を巡る一連の不正事件の札幌誘致への影響を聞かれ、「非常に厳しい」と語った。
読売新聞によると、橋本氏は「30年と今回とは全く違うと明確にされない限り、(札幌市民や北海道民の)支持率が上がっていくことは難しい」と指摘し、「一日も早く(事件の真相が)解明されて、新たな招致のスタートが切れるようにしなければいけない」と強調した。
橋本氏は北海道出身で元五輪担当大臣。現在は大会招致を目指す議員連盟の会長を務める。今回の橋本氏の発言について、札幌市の幹部は同夜、NHKの取材に対し、「東京大会をめぐる捜査が影響しての発言だと思うが、何も聞いておらず、何とも言えない。市として招致を進める考えに変わりはない」と述べた。