世界最大のVR(仮想現実)イベント「バーチャルマーケット(Vket) 2022 Winter」が、2022年12月3日〜18日に開催される。さまざまなコンセプトのワールドに、法人やクリエイターがアバターや3Dモデルを配置したブースを出展する。
企業が出展する会場は、現実の都市を再現した「パラリアルパリ」「パラリアル札幌」「パラリアル名古屋」というワールドで展開される。VR記者カスマルは、「パラリアルパリ」の世界を先行体験してきた。
ファッションの街でモデル歩き
「パラリアルパリ」は、フランスの首都・パリを模した空間。エッフェル塔や凱旋門をはじめ、シャンゼリゼ通りやセーヌ川など有名な観光スポットが広がっている。メタバースプラットフォーム「VRChat」から入場可能だ。
パラリアルパリに入るとまず、Vket初出展の化粧品ブランド「マリークヮント」のブース「マリークヮント メタバース パリ店」がある。ブランドマークである「デイジー」の意匠が各所に散りばめられ、華やかな印象の建物だ。
店内からはコスメ品の3Dモデル版のほか、実物のリップスティックやネイルポリッシュを販売するウェブサイトにアクセスできる。
奥には、3つの鏡がある。手前のいすに座ると、鏡の中にはマリークヮントがVketに向けて用意したアバター「MARY QUANT VKET」ちゃんの姿が浮かび上がる。設置されている3Dモデルのリップスティックを鏡に近づけると、「MARY QUANT VKET」ちゃんの顔の様子が変化。左の鏡では1960年を、真ん中では1980年、右側では2022年をテーマにしたメイクを施せる。
エッフェル塔の前に、特設ステージが現れた。舞台脇のボタンに触れると、来場者のアバターがランウェイを歩くファッションモデルのような動きで、自動的にステージ上を回りだす。
来場者の視点そのものはステージの外側に固定される。いわば使用しているアバターからユーザーの意識が抜け出したような状態で、モデル歩きをする自身のアバターの姿を第三者として楽しめる。