「自分には個性がない」
では、クリエイターたちが考える「個性」とは何か。個性があるからこそ、クリエイターとしてやっているのか。さらに言えば「個性がなければ、クリエイターでいられない」のか。
やじまりさんは「自分には個性がないと思っている」と一言。コンテンツ企画・制作会社のチョコレイトに勤務する社員として、制作物の目的に応じ、絵柄を柔軟に変えて作品を手掛けている。「自分独特の絵柄がない」と悩んでいた時期があったが、今は別に良いかと思うようになった。長い目で見て、己の個性を探し、固めていきたいからだ。
やじまりさん「自分はまだ20代で、クリエイターとして走り出したばかり。少し先の未来で、わかるようになるかなと。周囲からは、個性あるよと言われるんですけどね」
山下さん「色々な作風で創作できる、人に合わせられるのは、まさに個性だと思う」
桐島さんは「医者や悪役など、色々な役のオファーを頂く」と言い、共通点が見えてこないと語る。
桐島さん「ディレクターさんによって、私についているイメージや、らしさが違うのかなと。でも、それって一つじゃなくてもいいよなーって思います」
山下さん「そうですよね。なんか、一つに絞ろうとしちゃうんですけどね」
桐島さん「私は、器用貧乏タイプだと昔から思っていたのですが、『器用貧乏って言葉は良くない』と感じ、ある時から『器用大富豪を目指します』と言うようになりました(笑)」
一方「器用貧乏の逆」と自称する、しょーたさん。一度見たら忘れられない、強烈なタッチの個性的なイラストを描く。どうやって個性を突き詰めてきたかと言えば、「ひたすら不器用で、自分の作風以外の作品を作れないから、結果的にこうなった」。
しょーたさん「テイストを変えても、『あっ、しょーたの作品だ』とすぐバレる。自分はワンパターンだ、できることを広げなきゃと考えていたので、皆さんの悩みに驚きました」
山下さん「個性って、にじみ出るものですよね。自分も、『山下っぽい』と言われることはあるが、しょーたさんには敵わない。シンボリックな作風でうらやましいです」