【作リエイターズアトリエ(通称「作リエ」)】
テレビアニメ「ポプテピピック」のゲームパートを描き、映像制作やイベント主催など、フリーランスでマルチに活躍する山下諒さん。隔週水曜夜、各分野で活躍中のゲストクリエイターや美大生を招いて、「創作」をテーマに、ツイッターの「スペース」や「オンラインセミナー」で語らう企画が「作リエ」だ。
連載では、スペースで出た話題から、エッセンスを抽出してお届けする。
未来のゲストは、今この記事を読んでいるあなたかも?
第10回のゲストは、ヘンテコアニメーション作家のしょーたさん、漫画家・イラストレーターのやじまりさん、フリーランス声優の桐島ゆかさん。それぞれ作リエ第2回、3回、6回のゲストで、全員が2度目の出演となった。スペースアーカイブはこちらから。
漫画家夢見て、声優へ
今回のテーマは「『個性』ってなに? 漫画家、映像作家、声優が『私らしさ』議論」。MCの山下さんも含め、「なぜクリエイターを志したのか」を、4人それぞれが原点を振り返り、さらに「私らしさ、個性」について語り合った。
桐島さん、しょーたさんは「ゲーム」から影響を受けた共通点がある。
桐島さん「最初に目指したのは漫画家でした。でもRPG『ファイナルファンタジー10』に出会って衝撃を受け、ゲームを作る仕事に就きたくなって。同作のキャストインタビューを読んで、声優に興味を抱きました」
しょーたさん「4歳ぐらいの頃、兄姉がマリオのゲームをやっているのを後ろから見て『僕も大冒険したい』と思い、自分がマリオの世界のような場所で冒険する光景を空想しながら描いた絵が最初のクリエイティブでした」
創作人生の始まりは、しょーたさんのように「身近な人」がカギになる例が少なくない。やじまりさんは「絵の上手なおばさんと一緒に、女の子の絵を描いた」のが、第一歩。おばと自分の絵を見比べ「なんて私は思ったものが描けないの?」と悔しく感じた思いが、今に繋がっている。
山下さんも幼少期~高校までは、姉の背を追いかけていた。絵を描くことに始まり、中学で姉が演劇部に入れば自身も演劇部へ。映像・演劇の経験を、知らぬ間に積んでいた。
4人全員が、その後進学や就職などの重要な分岐点で、葛藤や失敗を繰り返してきた。幼い頃、最初に夢見た職業になっているわけではないが、なおクリエイターとして活躍している。創作の道へ進むのに、立派な目標や理由、大義名分は絶対に必要なものではないと、教えてくれる。