周辺機器だから可能なワケ
東洋証券のシニアアナリストで、ゲーム業界に詳しい安田秀樹氏に取材した。今回のPSVR2予約応募における「プレー時間」条件はやはり、転売対策の一環とみる。一方で同じような方策は、PS5を販売する場合には「おそらくできないだろう」との意見だ。
PSVR2はあくまで周辺機器のため、主にPS5をすでに所有している人が購入するとみられる。そのため、ソニー側からすると購入希望者に対し、同機でのプレー時間を求めるとの策を実施しやすい。
一方で、PS5そのものを買おうとする人は、当然ながらまだ同機を所有していないユーザーだ。そのため、本体販売の条件として、PS5のプレー時間を求めるのは難しい。
前世代機・PS4のプレー時間ならどうか。こちらは、2014年の発売からすでに約8年が経過している。故障や飽きなどにより遊ばなくなった人が一定数いるとみられ、今になってPS4のプレー時間を求めるのは現実的でないと安田氏は指摘した。
PS5において、2020年の発売当初に「PS4のプレー時間を求める」との転売対策が打ち出されなかった。安田氏は、PS5が発売後に需要が伸び、現在ほどの品薄が起きる事態をソニー側が想定していなかったためではないかと分析した。