現状維持は衰退と同じか
今回取材に応じたアカウントはいずれも、ツイッター担当者(中の人)が、企業の情報発信に加えて、自身の個性や人柄をにじませたオリジナル投稿や、ユーザーとの交流に力を入れる運用スタイルを取っていた。
ともすれば企業のアカウントを私物化したり、不用意な発言で炎上したりするリスクがあるため、担当者のモラルやバランス感覚が問われる。適切な運用ができればユーザーに親しまれ、認知度や好感度が上がる。商品・サービスの購買数アップに貢献し、企業に利益をもたらしている「中の人」は少なくない。
アイラップもそうしたアカウントの一つだ。ただ、ツイッター有料化が決まった場合、こうした「中の人」文化も現在より落ち着き、「広報的なコマーシャル的要素が増したアカウント」が増えるのではないかと話す。
アイラップ「ある程度の規模感の企業が予算を使って参入する場合は、現在よりシビアな費用対効果を求められるだろうし、人員を確保する必要が出てくるだろう」
裏返せば、「中の人が何となくやっていて、炎上はしていないが、会社のためになっているかはわからない」アカウントは撤退せざるを得ない。
B社も、「もしツイッターの利用に課金が前提となった場合、発信する企業側もそれに見合ったコンテンツ力の強化が求められるのではないか」と予想し、次のように述べた。
「イーロン・マスク氏は動画に関心があるようなので、動画を軸としたクリエイティブコンテンツを強化する体制を、今から準備できればと思います」