新型コロナ感染者数が、全国で急速に増えている。特に急増しているのは北海道だ。専門家の中にはすでに「第8波に入った」という指摘もある。加藤勝信厚生労働相は2022年11月9日、感染者数が2週間後には第7波のピークを超える可能性があると語った。
なぜ北海道で増えているのか
全国の感染者数は、8月の第7波のピーク時には1日25~26万人に達した。その後、9月に入って急減、10月になると、1日1万人台になる日もあった。ところが11月に入って再び上昇傾向が顕著になり、8日は8万人を超え、9日も8万7000人台になった。
地域別で特に目立っているのが、北海道だ。これまで1日当たりの最高は、8月19日の8632人だったが、11月8日、9日と9000人を突破。連日、過去最高を更新している。
全国の都道府県別の感染者数でも、北海道が、東京を抜いて全国トップになる日が目立っている。人口10万人当たりの感染者数でも、全国1位だ。
北海道で感染者が増えている理由ははっきりしないが、東北地方でも感染者が増えている。これは寒さと関係するのではないか、ともみられている。寒くなると、暖房をつけるため部屋を閉め切り、その結果、換気が悪くなって感染が広がりやすい。専門家からは「北海道や東北では第8波に入った」という見方も出ている。
新たな行動制限やらない
TBSによると、加藤厚労相は11月9日、専門家組織の会合で、今後の感染状況について「2週間後には前回のピークを超える可能性も想定されている」との見通しを示した。爆発的増加が目の前に迫っているため、専門家の中には、政府が早めに対応策を講じる必要性があると指摘する声も出ている。
しかし、FNNによると、松野官房長官は9日午前の会見で、現状では「新たな行動制限は行わない」との基本姿勢を強調した。
8日に全国で新たに確認された新規感染者数は、先週のおよそ1.2倍。松野官房長官は、「緊張感を持って、感染動向を注視していく」と述べたが、新たな変異で感染力などが大きく変わらなければ、「新たな行動制限は行わず、社会経済活動を維持しながら、感染拡大防止策を講じることが基本的な考え方」と語った。
そして、「感染が拡大する前のワクチン接種や抗原検査キット、解熱鎮痛剤の購入などの準備」を呼びかけた。