「荒れない」メリットがあるサービス
ITジャーナリストの井上トシユキ氏に取材した。話によると、SNSの利用目的はユーザーによって異なるため、ツイッター有料化が現実に起きても、移行先がどこかは一概には言えないようだ。まず、不特定多数に向けて発信を行いたい著名人やそのファン層のユーザーはある程度残り続けるのではないかと井上氏は指摘する。
その上で、社会的な主張など、何かを不特定多数に発信したいユーザーでは、動画サイト「ユーチューブ」に移住する動きが多くなるのではないかと推測する。近ごろはすでに、ユーチューブの動画で時事・社会問題について語るユーザーが増えているという。
ツイッターでは情報の拡散速度が速いというメリットはあるものの、反対意見を持つ人や、いわゆる「アンチ」から意図せぬ反応を寄せられるリスクがある。ユーチューブであれば、「アンチ」は何分も嫌いなユーザーの動画を見る行動は取りづらい。そのため、ユーザーからするとツイッターと比べて「荒れない」メリットがあるとのことだ。
世の流行を把握するためにSNSを利用しているライトなユーザーであれば、有料化後にツイッターに残る人はあまりいないのではないかと推測。今後は複数のアプリを使い分け、情報収集をしていくのではないかと語る。ショート動画プラットフォーム「TikTok」ならば人気の動画などで、LINEならばアプリ内のニュース機能で世の動向を追うことはできる。
また不特定多数と交流するためにツイッターを使っているユーザーなら、TikTokやインスタグラムに移行する人が多いのではないかとみる。
ただ、近ごろはアカウントを非公開設定にし、不特定多数ではなく仲の良い人とのみ交わるユーザーが増えている印象と井上氏。そうした点から、知り合いと交流がしやすいLINEの人気は「根強い」と指摘した。